あげる

「すごい!」と思うと共有したくなりません?なるんです。

11/12 TREND EXPO TOKYO/なぜ「君の名は。」はヒットしたか?

こんな風になると思っていたのだ。

投稿が全くなくなるってやつ。

なぜなら自宅に機能しているPCがないから。

早いとこPC買おうと思いつつ……。PCの有無だけがハードルじゃないのもわかっているのでハードルを下げる方向で考えます。

 

過去記事になるけれども、11/12に行ってきたTREND EXPOがなかなか面白かったので備忘録。

 

TREND EXPO TOKYOは日経BPが主催の

【この一年何が流行ったか、これから何が流行るか、これからはやりそうなものの展示会+各種講演】

というイベント。

展示会はVR系が圧倒的多数を占めていた。自分が小学生の時にアニメで見ていた世界が実現しつつあると思うとぞくぞくするなあと思いながらまわってきた。

 

講演では、昨今の女性消費心理がどうとかe sportをどう流行らせるかとか秋元康の「ひとは何に感動するのか」とか、新海誠の「日経エンタテイメント!」から「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2016」授賞式とそのインタビューを聴いた。

秋元さんと新海さんの話がやっぱり面白かったので今でも頭に残っている所を抽出。(ただしメモはみていないので私の解釈の下であることをお含みおきください)

 

【1】ターゲティング

秋元さんも新海さんも仰っているのは、今は最大公約数的なマーケティングは出来ないということ。誰にも彼にも届く物は無い、ということ。

私からしたらそれって当然なんだけど、昔はもっと老若男女問わずなマーケティング・CMが多かったとか。

それに対してみてみれば、「君の名は。」も狙った対象は「若者」という比較的狭いセグメント。

 

【2】深く刺さる物を作ること

秋元さんが仰ったのは「ひとりのひとのコアに触れるような物じゃないともうヒットしない」ということ。

但し、これに対して新海さんが仰ってたのは「ターゲットを設定しても確実にそこにあてることはできないので、ひたすら【自分ならこう云う設定ならうれしい】と考え続けた上で人の意見を聴き続けること」。(それでも前述通りある程度ターゲティングはしている。)

 

秋元さんが仰ってたのが、

これって結局、「これいいっしょ」って誰もかれもが発信できる時代になって、かつ、そういう発信をしたい人間が多いから成り立つようになった、ってこと。

私みたいに「いいっしょ?」って言いたい人って絶対少数派ではないんだよね。

だからレビュー制度っていうのが成り立つんだと思うんだ。

それは人間の生来的なものかもしれないけど、昔は本当に身近な、生活圏の人たちに対してだけだったのが、今はネットで発信ができる。しかも人は似た者同士で自然とつるむから、自分のコアに刺さった人が深い実感を持って「これはいい!こんな風にいい!」と発信すればそれが「こいつがこういってるならいいはず」という「信頼」になって周りの人がリーチする確率が高まる。

単純なんだけど、忘れちゃダメないまの世の中の仕組みだ。

 

【3】フックをたくさん作ること

秋元さんは「コアに刺さる物をひとつ」でいいと言っていた。多いと情報がちらばるから「これ!」と決める。と。

それはそれでわかる。

わかるが、「君の名は。」は逆だからこそヒットしたと私は考えている。

 

君の名は。」は複数のターゲットのコアに刺さるフックを詰め込んでいる。詰め込みすぎて一回では消化しきれないけど、しっかり「完全な置いてけぼりにならないように」と考え尽くされているから、二回目三回目見たくなる人が続出した。

 

例えば、曲。全てをRADWIMPSに任せていて、RADWIMPSが好きなファンに刺さり、RADWIMPSが新しくリリースする時にのっかってくるの、あれずるいよなあ。(褒め言葉)これに伴って極音やら爆音やら、音にこだわった映画館にもう一度いった人、いますよね?

 

例えば、過去作品。昔の作品の登場人物を出して来ているのは新海ファンにはたまらないだろう。テンションあがった新海ファンが周りにちらほら。過去作品見返してから再度観にいった人、一定数いるんじゃないんですかね。

 

例えば、聖地巡礼。単純に新海さんは元々新宿近辺好きっていう話があるが、それでも、FUN TOKYO!とのコラボとかがあったのは、ある程度初期段階からの計算の下ですよね?? 聖地巡礼したうえでもう一度見ると実感を伴ってしまってまた泣くんですこれが。FUN TOKYOのスタンプラリーやってもう一回いった人いますよね?いますよね?

 

例えば、作品の伏線。いたるところに伏線がひかれている。作りこまれ過ぎだろう!ってくらいに。

伏線ではないけれど和歌とか儀式とか、全てにしっかり意味合いがあるのもまたひとつ。考察をすればするほど鳥肌が立ってそれを踏まえた上で行きたくなりますよね?別に曲がどうとかはどうでもいいけど、作品を楽しみこむことが好きなコアファンはもうこれで惚れきったに違いない。

しかもその伏線の種類も幅が広いからそれも各々刺さったポイントがちがうんじゃなかろうか。

 

例えば、関連商品群。

小説版踏まえてもう一度観に行きたくなるでしょうそりゃあ!他の視点を踏まえた上で見ると見方に深みがでるじゃないですか!パンフレット見ると味わい深くなって「え!そんなとこまで作りこんでたの!気付かなかった!もっかいみなきゃ!」ってなるじゃないですか。

 

そんなわけでフック多すぎなんです。ええ。

こうやって書くとあれですね。単純にあほほど作りこまれているっていうだけなのかもしれない最早。

それが新海さんがいう「ずるをしない」なのかもなあ。

 

これをどこまで誰が考えたのか(河村元気っていったいどこまでけいさんするひとなのか)を是非聞きたいところ。

 

三回観に行ってるのに、もう一回音がいい所で観たいなあと、私も思ってます。ええ。笑